■ 抄録・要旨
| 埼玉県では、大気中のHNO3ガス、NO3-粒子が全国平均に比べ高濃度で観測されている(以下、ガス状物質は(g)、粒子状物質は(p)を添えて示す。)。光化学反応の盛んな夏期に粒子状及びガス状の水溶性無機成分濃度の調査を実施した。本報告ではOx濃度とHNO3(g)、NO3-(p)濃度の関係について検討した
Ox濃度80ppb以上で、Ox/T-NO3がNox-sensitiveの閾値(9.0)のラインに近いグループと、閾値の2倍である18を超えるグループを区分A、区分Bとし、さらに、Ox濃度80ppb未満の日から4日を区分Cとして抽出した。午前から午後にかけて、Ox濃度は区分Aが28から100ppb、区分Bは48から110ppbと、区分A・Bともに午後に上昇した。HNO3(g)、NO3-(p)は、区分Aではそれぞれ160から340、59から66nmol/m3と午後に濃度が上昇したのに対し、区分Bではそれぞれ170から130、50から29nmol/m3と低下した。このように、区分BではOx濃度とT-NO3濃度のピーク時刻にずれが生じていた。
|